タイトルの通りオリンパスの誇るハイエンドミラーレスカメラであるE-M1 MarkⅡにオリンパスのフィルム時代のレンズであるOMマウントレンズをつけて遊んでみた。
今はマイクロフォーサーズというセンサーがフルサイズより小さいフォーサーズを使っているが、オリンパスはフィルム時代にはフルサイズをやっていたのだ。フルサイズというのは当時の35mmフィルムのことだ。
なので今の若い人にオリンパスがフルサイズやってたんだよって言うと首をかしげると思う。
昨今ではスマホカメラの性能向上によりその地位を脅かされているカメラ業界であるが、25年以上前はフィルムカメラが幅を利かせていて世界に誇れるメイドインジャパンのカメラというほどであった。オリンパスも例に漏れず凄い企業であった。斬新なカメラを発売し世界的ヒットを記録したのだ。
そんなオリンパスの脂の乗った時代を彩ったマウントがOMマウントなのだ。
技術者は明るい明日を夢見て試行錯誤をし、軽量コンパクトと画質の両立に全力を注いだことだろう。当時はレンズ加工技術もまだ今ほどではなく、ナノオーダーの生産もできなかったであろうからそれはそれは大変なことだったであろう。カメラは最新の技術の集合体なので非常に高価であった。
それから時は流れてウン十年。カメラはデジタルに完全移行し、イメージセンサーの小型化、高性能化によりかまぼこ板の中にカメラを入れることすら可能になった。そのかまぼこ板はネットも見れてある程度の写真もとれるのだ。
レンズも機械主体による設計により、加工精度や光学設計もかなり高くなった。最新のレンズはF1でも使い物になるしオートフォーカスが完全に実用化され当然の物となったし手ぶれ補正もできる。また収差がなかなか見当たらないレンズも増え、解像度もかなり高くなった。いわばレンズが完成へ限りなく近づいてきたと言えよう。
ただ完璧は時としてつまらない
完璧な人はいないが完璧なんてつまらない。どっか故障してるほうが人間っぽい。故障しすぎた人はどうしようもないけど(笑)
完璧な描写、完璧なスペック、完璧な設計、完璧な手ぶれ補正、完璧なオートフォーカス、完璧な露出、完璧な色味、完璧な〇〇...
それじゃあ人形になっちゃうよね。人間の仕事がシャッターを押す(最近のスマホは押す前から撮影してたりするが)か水平をだすか(最近のスマホは自動補正してくれるが)撮影場所にカメラを連れて行くことくらいしか無くなってしまう。
いやぁスマホやっぱカメラメーカーより頭良いし親切だな。
便利になることを便利じゃない時は望むけど、満たされてしまうと逆行したくなるのが人間だ。本能的にマゾヒストなのかもしれない。いや、満たされている余裕があるから逆行したくなるのか。それともお任せし依存することに不安をかんじるのか。
いずれにせよ不思議なことだ。
前置きはこれくらいにして本題だ。
今所有しているレンズは
G.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.4
F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8
ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8
E.ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5
E.Zuiko Auto-T 200mm f4
F. ZUIKO AUTO-T 300mm f 4.5
ZUIKO AUTO ZOOM 75-150mm f4
物撮りのセンスがないのはいつものことなので許して
ともうシステム組めるくらいあるのだ。
そもそもOMマウントに興味を持ったきっかけはオリンパスがOMマウントとマイクロフォーサーズのアダプターを公式に販売していたからだ。マウントアダプターというのは利益を生まない。過去の中古しかないレンズに誘導するようなアダプターを作ったところで意味が無いから普通のメーカーは公式で販売することはない。ただオリンパスは良心的な企業なので作ってしまったのだ。OM ADAPTER MF-2だ。今は販売されていない。運が良ければキタムラで6000円で中古に手に入る。しかし猛者ばっかなのか半年は監視しているのに一回も買えたことがない。一ヶ月に何度も売られているのにだ。毎回即売れている。あとMF-2というのだから1もあると思ったあなた、鋭いです。MF-1はフォーサーズとOMのアダプターなのだ。そのアダプターは比較的入手しやすいが4000円はする。それにオリンパスのフォーサーズ-マイクロフォーサーズのアダプターのMMF-1やMMF-2やMMF-3を買えば中古でトータル1万円近くなる。お得ではない。
そんなこんなでいま使っているのが
一回K&Fのも買ったがマウントがうまくいかなかったので失敗したくない人はこれを買うといい。
あるときカメラのキタムラの郊外店舗でZUIKO AUTO ZOOM 75-150mm f4がくもりありでかごに無残に捨てられてて1000円だったのでノリで買ったのだ。ノリで買ったのでアダプターを持っておらず、後に買ったアダプターが不良品などなんやかんやあって長らく防湿庫でお留守番させてしまった。長らく使えなかった故にオールドレンズがどんな物なのかいろいろ期待を膨らませていた。
結果からいうとおもしろい。だからわずか二ヶ月足らずで他のレンズをそろえてしまった。レンズに神様が宿ると信じたくなるほどだ。個性がある。勿論現代のレンズも個性があるが。その比ではない。
では作例
うまい写真とかそういうのではないが色収差とオールドレンズ特有の開放の柔らかさ、緩さが伝わると思う。よーく拡大すると描写性能は現代のレンズに劣る。しかしなんともいえない雰囲気を作り出してくれる。
ピントがあっていないところはソフトフォーカスになっているのがお分かり頂けると思う。今のレンズじゃこーんなあいまいな表現できないよね。
ちなみにだけどG.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.4じゃなくてF.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8のほうだとこうはならない。もう少ししっかりした描写になっている。だからこういう緩さがいらなくて安い方がいいなら1.8の方も大アリ。開放を使わなければあんま差はわからないかも。所有欲という意味では1.4のほうがザ・大口径って感じになっていて(今のようにAFとかの機械がないから枠のぎりぎりまでレンズが入ってる)
今のレンズにはない奥行きというか立体感。目に優しくて好きです。一部修正。
ZUIKO AUTO ZOOM 75-150mm f4の写真だが、曇りがはいるとレンズがどう描写するのかこれで知った。確かに全体的にもやがかかっている。この日は曇りだが晴れの日にとるともっとぽわーんとする。でもこれはこれでかなりアリ。
こんだけ違う。あくまで実験用に撮ったのであーだこーだ言わないで欲しいがどっちもすき。開放だとピントがあったところはほどほどにしっかりとしてそれ以外はふわっとボケている。それが立体感に繋がってる気もする。一方しぼるとボケは少なくなる。ただ撮っただけだけどこの感じは最近のレンズにはないなぁと思う。手前のコード類が浮き出てるようにみえる。コントラストが強いのかなんか不思議な感じがする。
当然無加工。というかレタッチしたらまったく参考にならないよね。結構他の人レタッチしてる。オールドレンズ使ってフィルムで撮った色合いにしてる人いて作例として参考にならんかった。
この写真は露出を明るめにしてるのでこんな感じになってます。背景のボケがうるさいですけどソフトフォーカスさと発色の良さがなんともいえず良い感じになってる。
これ本当にレタッチしてないんだと自分で観ながら思った(笑)というのもたった今オリンパスワークスプレースでrawからなにもせずに書き出したばかりだからだ。
このよくわからないけど良い感じの空気感、立体感、色味の主張の激しさはオールドレンズならでは。フィルム時代はしっかりフィルムに発色させるためにこってりめになると聴いていたがこれで納得した。正直この感じは最近のレンズより好き。
なんなんだろうねこのピシッとしたなかに感じるノスタルジーは。
ワケがわからないけど好き。このときから露出オーバー気味で撮ると画になることを学んだ。妖精の世界というか夢の中の世界というか..とりあえず独特の写真が撮れる。
このとき下が身切れていることに気がつかなかった。
装着イメージはこんな感じ。
作例に戻る
135はめっちゃ収差でる。ひょっとしたら200mmのほうかも。というのもまだこのときレンズ名登録してなかったから。ただよくわからない空気感があって好きですね。その場の空気をちょっと古くさくして切り取ったかのよう。個人的に135と200mmは神OMレンズ。安いし。収差からくる立体感なのかとりあえずなんでも良い感じになる。魔法が込められていると勝手に思ってる。
これは12-40mmF2.8PROで撮影。安定過ぎる無難な描写。解像度もばっちり。ぼわっとした写真が多かったので
というのは嘘。これは絞った50mmF1.4。
中央付近を等倍に近く拡大したもぼ。まったくにじんでない。日本の技術力やっぱ凄かったんだと思った。絞れば昔もかなりの画質を提供できたと言うことだ。元画像の立体感からひょっとしたらオールドレンズと気がつける人がいたとしたら賞賛を送る。
やっぱ12-40proで撮るのでは得られない立体感がある。
よくわからないけど良い感じに撮れた。多少絞ったのかな。記録がのこらないから推測ですが。拡大してみたらだめだめだけど許容範囲。
まぁ今日はこんなところで。続きはじかい