80年代というとネオンが輝き、派手な服装の人が多く、まだフィルムカメラ全盛で今でいうエモい写真が多かった時代かもしれませんね。
若者にとってその時代は幻の日本の姿のようにみえるかもしれません。景気も良く、人々も希望に満ち、本当に日本が名実ともにナンバーワンだった時代です。
そんな脂がのりにのった日本は、数々の名作といえる商品を瞬く間に発表し、世界にその技術力を示しました。そしてそれが今に至る技術大国日本の礎を築いたといえましょう。
そんな時代の音楽がダメなわけがないんですよ
半信半疑な人、なんか80年代の音楽聞いてみたいという人を必ず満足させられると思います。
ではさっそく論より証拠
REBECCA フレンズ
忙しい人は55秒付近から見ていただければと思います。
有名な曲ですよね。服装がまたいいですね。今じゃ絶対有り得ない。歌唱力もさることながら、表現力がものすごくすごい(語彙力)。悲しく、心の底から感情をふりしぼるように、そしてパワフルに歌っています。本当に一本の映画のようです。
声も物凄く特徴的ですよね。最近はしっとり穏やかカッコイイ系の方が多いような気がしますが、ここまで突き抜けるような個性的な声と表現力の持ち主はそういないような気がします。
あとは歌詞ですかね。今となっては目にしないワードが並びます。"ポケットのコイン集めて"という歌詞はおそらく電話をするためでしょう。今はスマホで無料電話できてしまいますよね。ほかには"フレンズ"という曲名が何か所も出てきます。最近はそういうのすくない気がします。
全体的に熱狂というかアツさを感じますよね。これは時代によるものなのでしょうが今となってはうらやましい限りです。
というかこの渋谷公会堂の音源めちゃくちゃ欲しいです。最高傑作なのではないしょうか。
REBECCAからもう一曲紹介します
REBECCA MOON
またライブ映像です。なんとまぁすごい恰好ですね(笑)でもそんなことがどうでもいいくらいに世界観に浸ってしまいます。
ライブなのにこの声量は驚きです。ライブ盤だと熱気に押されて歌詞のことを忘れてしまいますが、悪い方向に走っていく娘を母親の視点から成長を不安ながらに見届ける内容です(たぶん)。人によっては不良賛歌という人もいるようですがそうは思いません。
この曲もまた曲名を何回も繰り返します。非常に印象的で感情が伝わってくる素晴らしい名曲です。こんな曲は今の時代生まれなそうですよね。こういう曲がこれからの時代もあればいいなと思うばかりです。
また、この曲はパクり、、いやインスパイア疑惑があります。
それがマドンナのこの曲
こっちはパパについて娘視点で思いをつづる歌詞です。もう30年も前の話なのでパクリとか無粋なことをいう必要はない気がしますが、似ているのは確かですね。
関係ないですが、さすがアメリカ映像がものすごく鮮明です。フィルム時代といえど、きちんと撮影されれば後世に残るものができるってことですよね。
お次は伝説のロックバンドです!
BOØWY Marionette
この曲もカラオケとかで知っている若者もいるんじゃないでしょうか?
なんというか異様な曲ですよね。まるでアニメの曲のような独特の世界観、そしてバンド臭さがない、そしてめちゃくちゃキャッチーです。
実際にエヴァンゲリオンや彼氏彼女の事情で有名なガイナックスがPVの作成をしています。
当時BOOWYは絶大な人気を誇り、ライブのチケット販売で都内の電話回線をパンクさせたほど。一つの時代を作ったバンドといえるでしょう。
それほどのバンドなのでPVのクオリティも異常です。相当なアレが費やされたのでしょう。
このMarionette(マリオネット)ですが、BOOWYで最も売れた曲となりました。
この曲もサビで曲名を繰り返します。そんなことより歌詞の世界観とギターのフレーズの独特さが素晴らしい。
歌詞は日本語と英語が混じっていて、絶妙に韻を踏んでいて心地がいい。そしてテンポもはやく爽快。なので気づいたときには曲が終わっていることも。
内容は他人のマリオネット(=操り人形)になるな、自分のために生きろというものだ。まさに、元不良らしい潔の良さがある(失礼な言い方かもしれないが)。
ギターは布袋寅泰。音と独特のリフが古さを感じさせません。ギターソロを除けばイントロのリフとパワーコードのみだったと記憶しています。最近の曲のようなド派手な演奏ではなく、シンプルなのにここまで聞き手を魅了する曲はそうそうないですよね。
またBOOWYから一曲(というかすべて名曲なので全曲紹介したい....)
BOØWY ONLY YOU
"最後に、オレたちのラブソングの中で一番素敵なの贈ります。ONLY YOU"
ライブでは最後の一曲になることの多いこの曲、実はラブソングなのだ。
ラブソングというと、甘ったるく、ゆっくりと歌詞を伝える系が多いが、この曲はポップなロックな一曲です!
特にこのライブは最高の完成度だと思ってます。
いきなり
”ダダダダダダダダダダダダダダダダ”
とダウンピッキングで畳みかけるように連打します。
そして急に優しいアルペジオとボーカル氷室京介のつややかな歌声に包まれます。
そこからは流れるように曲が進んでいきます。
本当に名曲です。本当に名曲です。
この曲は本当に飽きない。なんでかはわかりません。理屈抜きでどストライクでした。
バンドの全員が素晴らしいのですが、特に素晴らしいのは布袋寅泰と氷室京介の二人です。
やはり第一にギターの音。なんとも言えない独特のキラキラ感、それでいてしっかりひずんでいる。なんなんですかねあの音。個性の塊で、音で人がわかります。
音以外にはイントロでたしかDコード(弾くのが簡単)でダダダダダダダダダダダダダダダダっとかき鳴らし、そこから半ば手癖のようにコードを押さえて、流れるように演奏が続きます。
そのすべてが天才的だなぁと凡人ながら思います。これ以上は私の国語力の限界なのでやめときます。
BARBEE BOYS 目を閉じておいでよ
これぞ80年代(なおこのライブは92年)という曲だ。大人な曲ですね。BARBEE BOYS(バービーボーイズ)はそういう曲が多めです。
この曲もまたギタリストが独特です。ギタリストの名はいまみちともたか、通称イマサ。作詞作曲も手掛けます。布袋寅泰はシンプルながらかっこいい、いまみちともたかは複雑で斬新でしゃれてるという印象。
とにかく音数が多い。そしてむちゃくちゃ印象的。歌詞と一音一音が80年代らしさを生み出している。
ここまできてボーカルにノータッチというわけにいかないのでボーカルについて。
なんと珍しいことに男女ツインボーカルなのだ。普通男が低音、女が高音であろうが、なんとこのバンドは逆。男性ボーカルのKONTAが高音、女性ボーカルの杏子がハスキーな低音を担当している。
ここからお分かりのようにただの男女ツインボーカルではないのだ。お二人とも声が特徴的。そしてルックスは美男美女。
曲のほとんどは掛け合いになっていて、あたかもセリフのようだ。それが歌詞の世界観に現実味と深みを与えている。あと基本的に女性のほうが立場が上な内容が多い。
当時はそれこそジェンダーだとかそういうのと縁がない日本というイメージだったが、ほとんどの曲で女性は選ぶ権利のある高飛車なキャリアウーマンということが多い気がする。
この曲はそうじゃないけど。
話を戻そう。
この曲の歌い始めは
やさしい"だけ"の アイツを忘れて~
とかなり攻撃的な内容(笑)
この始まり方は東京事変の群青日和のイントロ"新宿は豪雨"並みに印象的でセンスの塊だと思う。
本人らはふざけたノリで作詞した的なことがどっかのインタビューで見たけど、ほんとかいなと思ってしまう。
やや脱線するが椎名林檎はBARBEE BOYSのことをリスペクトしているようで、東京事変のライブでC'm'on Let's go!という曲をカバーしている(ようつべに無断転載があるがさすがにそれは紹介できません)本家はこんな感じの曲です。
これまた名曲なのでぜひチェックしてみてください。
"目を閉じておいでよ"は比較的ゆっくりな曲でBOOWYの次に聞くとやや物足りないかもしれません。でも歌詞の心情描写とその表現力がすばらしく、絶対虜になります。
BOOWYのような軽快でポップなロックというより、BARBEE BOYSはねっちり過激で少し苦い大人のロックです。
このねちっこさの要因のひとつがKONTAのサックスではないかと思います。これまたスルーしてましたが、ボーカル兼サックス奏者なのです。肺活量とか歌うタイミングだとかいろいろ大変そうです。
男女ツインボーカル、それも唯一無二。そしてサックスのいるバンドというのもまた、珍しいような気がします。
そういうオリジナリティの爆発した唯一無二のバンドがBARBEE BOYSなのだと思います。いまだに後継者的な存在いませんし。時代の先端を今も行き続けています。
お次もバービーボーイズといきましょうか
BARBEE BOYS 暗闇でDANCE
先ほどの"目を閉じておいでよ"とは一転、かなりアップテンポな曲です。ライブによってはもっともっと早いです。
個人的にこの曲がBARBEE BOYSにはまるきっかけになったのでぜひとも紹介したいと思いました。
正直この曲変だなぁと思いました。なんかバンドらしくないですよね。これラップともいえますよね。それに歌い方に癖があってそっから流れるようにサビへいき、これまた一風変わったギターの間奏が続きます。
あまりに独特でパットは体にしみこんでこないのですが、聞けば聞くほど良さがわかるのです。というかこの変な(失礼)リズムがくせになって憑りつかれます。
カラオケだと本家のような迫力がだせない上にリズムが難しく歌いにくいです。
ちなみにこの曲は彼らのデビュー曲で実はPVがあります。それがこちら
今じゃいろいろあり得ませんね。やっぱこういうのって作ったもん勝ちですね。
なんとこのPVはサントロペの国際映画祭か何かでグランプリを獲得している。なんでかしらんけど。
今は当時よりも格段に撮影と編集技術が向上していて何がfakeかわからない時代。そう考えるとめちゃくちゃ頑張っているしセンスある映像だなぁと思いますね。
お次は正統派のロックン・ロールといきましょう
RED WARIORRS ルシアン・ヒルの上で
不良系といえばいいのでしょうか。そういう若さを前面に押し出したバンドです。
いや、実際のところ確かに一時期天狗になっていたかもしれませんが、音楽はものすごくまじめでカッコイイです。そしてキャッチー。
名曲ばかりです。洋楽を意識して作られたのではと思います。日本のロックというとまだなんというか演歌のような日本らしさのある曲もありました。しかし彼らは本当にそれらとは一線を画す本物志向のロックを目指したのではないでしょうか。
ボーカルはダイヤモンドユカイです。いまや芸能人と化していますが、当時はちょっといけ好かないロックな不良のような存在だったようです。
彼の声は本当にエネルギッシュでかつ繊細です。ほかにもお勧めしたい曲はたくさんありますが、この曲が最も感情を揺らすような説得力と悲しさが詰まった屈指の名曲だと思います。
ギターのシャケはなんと元レベッカのメンバーで諸事情により脱退、その後結成されたのがこのバンド。そしてレベッカのボーカルNOKKOとの日々を歌にしたのがこの曲ではないかという話です。
もしそうだとしたら、今となっては彼の苦い思い出の詰まった曲になっているのかもしれません。そうでないといいですが、終わってしまった関係の歌がヒット曲になるってなんかつらいような気もします。
まとめ
今回はこの辺にしときます。時間があればまた更新します。80年代の熱気が伝わればなと思います