この問題は実に深刻である。もうネットサーフィンに疲れてブログやレビューはあらかた読みあさってしまった人もいるのではないだろうか?
マイクロフォーサーズという開かれた規格故の悩みは実は贅沢であるし、他のマウントの人からすれば同一画角で悩めることをうらやましく思うだろう。
換算50mmということで写真らしい写真が撮れる。広すぎず狭すぎずなんかちょうどいい。私はボケなそうだし換算50mmがもてはやされるのはフィルム時代に50mm付近が作りやすかっただけでいらねぇよと思ったが、いざ使ってみると絶妙に良いのだ。
自分ではまったく想像していなかったが、かなり頻度の高いレンズとなった。特に45mmとかの中望遠レンズと一緒に持ち運ぶと、切り取りとボケ担当を45mmF1.8などに任せて、気軽なスナップを25mmに任せると荷物も軽いしそう困ることはない。
ボケに関してだが、普通にボケはする。特に最短撮影距離の短いレンズを使って被写体に寄ればとろとろの背景が手に入る。そうじゃなくてもある程度はボケるので安心してください。
さて、ざっくり沼の概要を説明しよう。
現状マイクロフォーサーズには15種類のレンズがある。
安い順から見ていこう
1, 7artisans 25mm F1.8
マニュアルフォーカスオンリーのレンズなので自分でいろいろ絞りやピントを操作する必要がある。そんなこと全然気にしないしオールドレンズみたいで格好いいという人や安く済ませたい人にはお勧めできる。製品外観は金属でなかなかよい。
スペックは
重量 143g
長さ 32mm
最短撮影距離 18cm
開放F値 1.8
最安値 1万1700円 (以後価格は2019年9月15日現在)
2, LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.
悩みの種その1のレンズであろう。一番安い純正系レンズだ。見た目はパナライカの25mmにそっくりだ。しかしあっちのほうが高級感はある。寄れて軽くて安いのだ。そんなうれしい三要素を持っている。レンズは高価な物が多いので、タダのようなものだ。レンズ沼の住人は5万円未満のレンズをポケットティッシュくらいにしか思っていない。手を出せば向こうから勝手にやってくるという感覚だ。
でもいいことばかりではなくて、画質、AFの遅さ、うるささ、逆光耐性の弱さなどいろいろ問題はある。特に画質が悪いと価格ドットコムで騒がれている。でもぶっちゃけこの値段なんだからそれくらい妥協すべきである。でも使った限りそこまでひどくないと思ってはいる。
まぁあとパナソニック恒例のオリンパスボディいじめであろう。オリンパスのボディではAFが特に遅い。でも激しい動き物じゃない限り別に気にならないと思う。一眼レフやフルサイズのAF遅いレンズよりは速い。
高解像な画質というより安さならこっち。パナユーザーの初心者にはかなりお勧めできる。スマホのように寄れるのが当然だと思っている人が多いと思うので近い感覚で使えるだろう。ただスマホより画角が狭いかもしれない。
スペックは
重量 125g
長さ 52mm
最短撮影距離 25cm
最大撮影倍率 0.14倍
開放F値 1.7
最安値 2万1700円
中古 1万880円
3, M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
我らがオリンパスの撒き餌レンズだ。オリンパスの中では安いレンズの一つ。こいつは素晴らしい。文句をつける点が少ない。45mm f1.8とデザインが似てるがややこっちのほうが太い。オリンパス曰く光学性能も45mmに近いらしい。これも先ほどのパナソニック同様寄れる。そしてAFも素早くてボケも美しい。デザインは触ったらわかるがプラスチック多めだけどしっかりしている。ポケットに入るサイズなので本当にありがたい。
ちまたで言われているようにレンズフードはない。でもこのレンズのフードはちょっと大きくて不格好だからおすすめしない。無くて困らないほど逆光に強い。あまりにも強いと画面が白っぽくなるがそれはそれで画になる。滅多に起こらないが。
色味は寒色寄りでとてもシャープだ。画質も文句ない。45mmユーザーならそれの弟とでも思えばいい。本当にいろいろ似ている。ただ似ているが故につまらなさもある。二つも似たレンズを持つのはカメラの世界を自分で閉ざしてしまっているかもしれない。
最近の優等生レンズはいい写真が撮れるけどぐっとくる写真かといわれるとうーん。苦労して撮る方が自分の中ではぐっとくる写真になるのかも。ボディキャップレンズとかw
いいレンズであることは間違いない。ただその真面目さ故のつまらなさはある。でもビシッと決めたい人やシャープなレンズが好きなら間違いなく買い。後悔はしない。
パナソニックとの差額1万円は安くはないが、写真を長くやりたいとか、不満があるのが嫌な人にとっては小さな差であると確信してる。
スペックは
重量 137g
長さ 42mm
最短撮影距離 25cm
最大撮影倍率 0.12倍
開放F値 1.8
最安値 3万2400円
中古 2万2880円
4, LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
おそらく一般人であればこれかパナかオリかで悩むだろう。私もこのレンズは持っているし知り合いはオリンパスを持っている。詳しい感想はまたいつか書くが、なかなかいいレンズだ。ただしパナやオリよりでかいし重い。そしてプラスチック外装。あと最短距離がパナ、オリより5cm遠い。
AFはオリボディで特に遅いと感じたことはないがシャッター音がこのレンズをつけるとむず痒いようなカシャっカシャっという音になる。大して気にならないが動画を撮る人には懸念ポイントかも。
色収差がオリよりあるがF1.4でこの値段と評判の良さなので買い。F2にすれば気にならない。私のような初心者には巷で言われるライカの描写というのはまっったくわからない。どこがライカなのやら。そもそも開発は日本人でゴーサインのはんこ押すのがライカの人と聞いたことがある。
そんなこんなでMADE IN JAPANのレンズだのだ。ピントリングがゴムなのが個人的にすき。買って間違いのないレンズであることは保証する。2型がでるが期待はしてない。最短撮影距離と値段、携帯性、明るさのどれをとるか。値段はパナ→オリ→ライカの順に1万あがる。
重量 200g
長さ 54mm
最短撮影距離 30cm
最大撮影倍率 0.11倍
開放F値 1.4
最安値 4万2400円
中古 3万2000円
4, M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
はっきりいって素人には無用のレンズに感じる。いっきにでかくなる。オリンパスのプロレンズなだけあって性能は伊達じゃない。仕事でカメラを使う人ならあって損なしだろう。このレンズのポイントはF1.2と圧倒的シャープさときれいなボケ味。オールドレンズでF1.2といったらソフトフォーカスレンズのようなものばかりで激重だったりするのだが、このレンズはめっちゃ性能いい。
さすがにマイクロフォーサーズもF1.2だとよくぼけてた。F1.4とどのくらい差があるか量販店で試したがちょっと差はある。でもそれより明るさのほうがメリット大きい。ちなみにF1.8とF1.2だとだいぶボケも明るさも差があった。
近接撮影なら完全にとろとろボケ。寄れるからテーブルフォトにはいいよね。マイクロフォーサーズにしてはデカいから目的がない人にはお勧めできない系。
重量 410g
長さ 87mm
最短撮影距離 30cm
最大撮影倍率 0.11倍
開放F値 1.2
最安値 12万2000円
中古 8万7000円
5, フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95
キワモノ感がある。実は使ったことがない。一型と二型がある。違いは絞り環のクリック音だそう。
F0.95ですよ!これは未知の世界。人に自慢できること間違いなし。
しかしMFなのでピント浅すぎて大変そうなレンズF1.2でも十分ぼけているのにこのレンズはその先へ行く。作例を見る限り解放はソフトフォーカスレンズになる模様。値段はproレンズより安いから悩ましさがある。誰もみたことない写真に一歩近づけそうな気がしてくれるレンズ。デザインもまた良し。そして異様に寄れる。わけわからんくらい接写すればボケるだろうな。
重量 435g
長さ 70mm
最短撮影距離 17cm
最大撮影倍率 1:3.9倍
開放F値 0.95
最安値 8万4000円
中古 6万5000円
6, 中一光学SPEEDMASTER 25mm F0.95
お試しF0.95としてはなかなかいいのでないだろうか。ただこれずっしり重い。釣りのナス型おもりをもった時の感覚に近い。小さいから軽いっしょと思って持つとなんじゃこりゃって気分になるこれ以外にもkamlanのレンズとかもそう。無論MF
重量 230g
最短撮影距離 25cm
開放F値 0.95
最安値 4万8000円
これ以外にも25mmはいろいろあるが実用性を感じないので割愛。あとマクロレンズも割愛。
まぁもちろんネットサーフィンに長けている皆様なら25mm沼問題のもう一つの論点は25mmだけにとどまらないことを知っていると思う。
25mmの付近にも魅力的なレンズが多いのだ。30mm、20mm、19mmにもいいレンズが集結しているのだ。番外編としよう。
30mmはシグマの独壇場だ。
1, SIGMA 30mm F1.4 DC DN
sonyのaps-cも同じレンズなだけあってはっきり言ってデカい。ただ描写はいいですね。シグマの解像度を追及するスタイルとこの明るさはありがたい。描写はオリンパスより。シャープでわずかに寒色。56mmもだけどなかなかいい。コスパのいいレンズだ。ただ25mm付近は激戦なので安いと感じにくいかもしれない。
シグマはレンズ自体もよいのだが外装もなかなか良い。一度手に取ってもらえればわかると思うが細かいのだ。デザインにも細心の注意を払っているのだろう。所有欲を高めてくれる。パナソニックのようにプラスチック採用などしないのだ。そして安心安全のMADE IN JAPAN。いやMADE IN AIZU。
言い忘れてたがパナライカのレンズフードは逆にかぶせられない無能。シグマはそこんとこしっかりしててほどよい質感の装着感が味わえる。なんだろう、言葉で説明は難しいがマウントも類を見ないほどスルッと軽い力でなめらかに装着できるしフードも不快な音がせずにさっとつけれる。まじでこだわりしかないメーカー。いいですよ。
欠点はでかいことかな。この価格差なら新品買ってシグマに貢献ですね。
重量 260g
長さ 87mm
最短撮影距離 30cm
最大撮影倍率 1:7倍
開放F値 1.4
最安値 3万1000円
中古 2万6000円
2, 30mm F2.8 DN ブラック
またシグマ。今は販売中止なのか量販店ではみかけない。これデザインがいいんですよ。旋盤で金属の丸棒を削り出したようになっていて上の写真の30mmと書かれているところの上のところがキラッキラなのだ。レンズとしては斬新なデザインではないだろうか。実物みたら良さがもっとわかります。一応ARTラインのレンズです。
そして安いのだ。小さくて安いなんて最高だ。ただ開放F値が2.8とやや暗いのでボケは期待できないしどうしても高感度が必要なときはちょっと困るかもしれない。オリンパスの12-40proを持っているとそっちのほうが便利かもしれない。
重量 140g
長さ 40mm
最短撮影距離 30cm
最大撮影倍率 1:8.1倍
開放F値 2.8
最安値 1万4000円
中古 1万0000円
19mmは省略
3, LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.
これまた有名なレンズ。巻き餌とも言われるくらい。評判がとてもよくてパンケーキで明るい理想的なレンズだ。そして画角がやや25mmより広いのでスマホ感覚で撮れそうだ。これのライバルというと15mmのライカかな。
このレンズは描写が評判で初心者にお勧めしたいレンズなのだが、AFが遅いのだ。価格ドットコムもそんなことばっか書かれている。かわいそうなレンズだ。しかもこれで二型というところがもっとかわいそうだ。
コンパクトなマイクロフォーサーズカメラを持っていたら是非買ってるとよいかも。AFには目をつむって。
超軽いしめっちゃ寄れるしコンパクト
重量 87g
長さ 25mm
最短撮影距離 20cm
最大撮影倍率 0.13倍
開放F値 1.7
最安値 3万0000円
中古 1万7000円
いやぁ沼は深い。それだけいいマウントなのだマイクロフォーサーズは。