モノクロ
それは色のない世界。白も黒も灰色も"色"ではあるが、普通の写真が彩度豊かなカラー写真をさす現代ではそういってもいいのではないかと思う。
モノクロは最もシンプルな表現方法で、最初はなんかつまらないと思っていたが、引き算の極み的な感じで驚くほどハマる瞬間がある。
え?でも、カラーで撮って後からモノクロにすればよくない?って言われそうだが、そうではない。
ミラーレスユーザーならば、ファインダーでみたそのままを残したい。撮影している瞬間瞬間で感じたことがぎゅっと詰まっているので、後から加工だなんて無粋。
まぁ、ごちゃごちゃ言っても仕方ないので作例タイムといきましょう!!もちろんいつも通りレタッチの類は一切なしです。
オリンパスのただのモノクロの作例
レンズのシャープさが伝わってきます
マイクロフォーサーズのボケがいかに適切かわかる
これ実は一個上の写真のピント面の等倍拡大。いやぁーここまで映るかって感じですよ。トリミングですら十分使えるレベル。葉脈の一本一本、茎や葉の毛(?)のふさふさ感が伝わるかと思います。
中央付近がうるさくて申し訳ありません。じつはこの写真がオリンパスのただのモノクロを気に入るきっかけだったりします。ボツ写真ではありますが、新しい発見に感激しました。
質感描写性能
(自分でも何撮っているのかよくわかりません)
一番気に入っているのが
なんてことない春の写真なんですけど、とても好きな一枚です。勿論、人によって感性は違うので温かい目で頂ければとおもいまするぬ!
これカラーで撮るとなんか"だから何”感が強い写真になってしまうんですよね。
オリンパスのただのモノクロの設定
ただのモノクロなのに設定なんてあんのかよwって言われそうですが、あります。
一部の写真は本当にただピクチャーモードを変えただけのモノクロです。
やり方は
コントロールパネル(E-M1 Mark2ならファインダのとなりの|〇|みたいなやつ)
↓
OKボタンを押す
↓
ピクチャーモード(i-Finishやvividを選べるところ)でOKを押す
↓
右ボタンを何回か押すとモノクロを選択できる
これが本当のただのモノクロ
撮影を重ねるうちにたどり着いた設定が
コントロールパネルを開いて
・単写 (機械式シャッター)
・シャープネス +1
・コントラスト +2
・諧調 LOW
・調色 なし
・フィルター効果 なし
やりたければ
アスペクト 16:9
ハイライト&シャドーコントロール
・shadow -3
・highlight +5
にする。
解説をすると
単写にするのは、連射をするような被写体を撮らないから。あとフィルムカメラ感があっていい。
ミラーレスで撮るモノクロは最高で、結果が見えているので試行錯誤をしてゆっくり撮ることが多い。だから単写。
シャープネスとコントラストは人によりけりだと思う。ただ、デジタルらしいキリリとした質感描写とドキッとするシャープネスを実現するためにはその設定がベストと感じる。なお
これはまったくそういう弄り方をしていない。本当にただのモノクロ。マイクロフォーサーズはレンズが十分シャープだからやらなくてもいいのかもしれない。
諧調は絶対Low!マイクロフォーサーズのカラー写真がフルサイズに見劣りする瞬間って、明暗差が激しいときと暗い写真や影の多い写真だと思う。これは物理的なダイナミックレンジの話ですね。
E-M1 Mark2はかなり改善してるけど、古い機種は暗部と明部の差がデカすぎると飛んでしまうことが多かった。
するとなんか連続感のないのっぺりした写真になってしまう。逆にそういうシーンをモノクロにするといい感じになったりすることもある。粗々しさが凛々しさを生むというかなんというか。
話しを戻すと、フルサイズで撮った諧調豊かな写真のもつゴージャスさをいかにマイクロフォーサーズで表現するか色々考えた。
たぶんなんだけど、オリンパスもパナソニックもシャドーを露出+2ほど、ハイライトは-3くらい弄っていると思う。
その結果、暗部と明部の差が少ない写真になっている気がする。
モノクロの場合、ハイライトを撮っても面白くない(ただの白なので)。だから、諧調をLowにして、不要な暗部の持ち上げを阻止し、センサーのダイナミックレンジをシャドーに使ってやろうという魂胆だ。
そして、もっともっとシャドーの連続感を感じたい方には、ハイライト&シャドーコントロールを弄ることをお勧めする。
そしてその設定をカスタム設定として、C1からC3のいずれかに割り当てればいつでもその設定が使えるわけだ。ちなみに私はこれをC2に登録している。
次にお話したいのは、オリンパスの売りであるラフモノクロとの違いだ。
オリンパスはアートフィルターの先駆者で、一時期はかなりアートフィルターを推していた。フィルター効果が自分の写真に思わぬ変化や気付きを与えてくれると思う人は結構いるんじゃないか?
それって結果の見えるミラーレスだからできることよね。
ということでラフモノクロとの違いを説明します。
ラフモノクロとの違い
さてさて、ただのモノクロとラフモノクロの違いを説明しよう。
とりあえず、この写真をオリンパスの公式ソフトで現像する。
名前は知らないがこのどっかの家の庭先にあった葉を題材とする。
これをオリンパスのソフトでモノクロにしただけの写真がこちら
特に面白みはない。ここから露出を下げて、諧調を下げると
JPEGを加工しただけなので、完全な"ただのモノクロ"のセッティングではないですがこんな感じ。ちょっとやりすぎですね。コントラストが高くなりすぎてます。
納得いかなかったのでもう少し和らげると
このくらいが自然ですかねぇ。カメラのただのモノクロならもっともっとシャドーの感じが深くてエモいです。ソフト的な処理なのでそれは再現できません。
お次にラフモノクロ
E-M1 Mk2にはラフモノクロが2つありますので両方見せます
まずラフモノクロⅠをそのまま適用したもの
ノイズを乗せてくれるのと、コントラストが高めになる。ちょっと荒々しくメリハリがある。ただシャドーのつながり感でいうと微妙。
こちらは露出を下げたものだけど、やっぱりコントラストが高くてこういう場合には合わない気がする。
次にラフモノクロⅡ
さっきよりはコントラストが低くて使いやすい。ただ、ノイズはこういう写真にはいらんな。
露出を下げたのがこちら
やっぱコントラストがね。
という感じでただのモノクロの艶感というか、コントラストの低さがいい感じなのがわかって頂けたかと思う。
個人的にレタッチするならさらに周辺光量落ちをいれたらもっといい感じなのかなぁと思っている。
こんな感じ。そんなに周辺光量落ちをかけてないけど、写真の中央部に目がいくようになります。
モノクロの良さ
やっぱり引き算の極みであることと、特別感だと思う。
色のついた写真とか映像が当たり前になったからこそ、そもそも色がないという大胆な引き算が印象的に感じるのではないだろうか。
自分よりもっと上の世代は"やっぱりフィルムだぜ"と言いつつも、デジタルの便利さと画質に賞賛している気がする。というかいまだにフィルムを切る年配の方を見たことがない。
一方若い人は、フィルムに高い関心がある。
だから、ひょっとすると自分の言っていることは上の世代にはまったくピンとこないかもしれないけど、モノクロにはフィルム的なものを感じる。
普段見慣れない特別感というかなんというか。
たしかにデジタルカメラの吐き出す写真はめちゃくちゃ綺麗でまるでその場にいるようなくらいだけど、"その場にいるくらい"な綺麗さは現実感の塊で、作品的な写真とは認識しないのではないだろうか?
フィルムがなんでエモいかっていうと、現実がカメラを通して作品になるからではないだろうか?
特に若い人には見慣れないわけだし。
そういう風に考えると、モノクロはデジタルカメラで簡単に現実を作品に変える手段といえる気がする。
幸いなことに撮影結果はすぐ見れるし、何枚とってもタダ。
手の内の一つとしてかなりアリだと思うのですが、みなさまはどう思いますでしょうか。
まぁど素人のたわごとなので多めに見てもらいたいですけどね(笑)
個人的にデジカメのモノクロモードで写真を撮る人って滅茶苦茶少ない印象なので、ぜひとも使ってみてほしいなと思います!
脱線しましたが、オリンパスのモノクロはかなり良くできているのでお勧めです。
メーカーによってもその風合いはかなり違います。
パナソニックはかなり凝っているんですけど、オリンパスほどの深みはないです。光と影の差が印象的なんですけど。
キヤノンはなんかイマイチな印象でした。色味が浅いというか。
ニコンは結構いい感じでした。ふつうのカラー写真でもシャドーがいい感じなのに、あえてモノクロで撮るともっといい感じになっていました。
そんな感じで今日は終わります。読みにくい文章を見て下さりありがとうございました!