ねこぴくと言えば、熱狂的なマイクロフォーサーズ信者でした
nekopictures.netnekopictures.netnekopictures.netnekopictures.netnekopictures.netnekopictures.netnekopictures.net
そんな自分も正直なところ、フルサイズミラーレスには興味があった
画質が第一によい"らしい"し、ボケる
しかし、マイクロフォーサーズは負けてないぞと
nekopictures.net
このようにフルサイズよりマイクロフォーサーズがええぞ、ええぞ!!と発信し続けてきた。
そんなある日、D810を使う友人と鉄道写真を取りに行き、その画質の良さ、ボケからくる立体感、それらに圧倒されて、ついにニコンのフルサイズミラーレスであるZ6を買ってしまった
正直な話、出てくる絵の質が格段に上がった。
自分がうまくなったのかと錯覚させられるほどであった。
豊かな色再現性、ニコン特有の線の太くシャープで程よくクリアな色味
マイクロフォーサーズではできなかったいろいろなことが、カメラを買う、お金を払うだけで実現したのだ。
マイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さい。スマホのカメラだって小さいが、画像処理が秀逸でそれっぽいものを出してくる
マイクロフォーサーズだってスマホには負けない。負けないが、フルサイズにかなわない部分はどうしてもある。
センサーの大きさというのは物理法則の話なので、どうしても超えられない壁があるのだ。
加えて、25mmのレンズが換算で50mmになってしまう。これの問題点はボケないことだ。
フルサイズの50mmなんてF2.8でも十分なボケが得られる。
一方でマイクロフォーサーズでは広角レンズである25mmのレンズが50mmとなってしまうのでボケ量の差が激しい
それを補うためにF1,2のレンズなど明るいレンズがラインナップされているが、生まれ持ちのビハインドを挽回するには、物理法則的になかなか厳しい
しかも、その手のレンズはフルサイズ並みにレンズが大きく、フルサイズよりレンズの単価が高いこともざらだ。
そもそもマイクロフォーサーズの魅力は、センサーが小さいことによる小型軽量性のはずだ。
この掌に収まるフィルム時代に近い大きさで、低価格高画質なレンズをたくさん持ち運べる幸せがあった。
私がマイクロフォーサーズに手を出したのは、いまとなっては8年前。
その当時はミラーレスは若干一眼レフの下位互換のような風潮があったし、ニコンキャノンは乗り気ではない様子だった
ソニーがフルサイズミラーレスで王者になっていたが、まだレフが強かった。
そんなあるとき、その各社が突然フルサイズミラーレスに参戦したのだ
当時はまだ値段が高く、EVFなんて使い物にならない、レフ機ユーザーをなめてるのかなど賛否両論だったが、
いまや市場はミラーレスに傾いた
この数年の変化は歴史的なものと言っても過言じゃないのではないだろうか
近年はレンズも十分なくらいに増え、レンズも一眼レフよりは小型軽量
これもう、マイクロフォーサーズの時代が終わったのではないかと思った
その予感は的中し、オリンパスは
売却された。新しくOMとなった
しかし、考えてほしい。私は技術者の気持ちがわかるので言えば、赤字部門を切り払っても結局収益は見込めないよねという。収益が見込めないなら給料は下がる。
技術者だって人間で、家庭や家族がいる。自分だったら転職してしまう。
技術力が下がる可能性というのが往々にしてあるということだ。
すると、魅力的な製品の開発速度が遅れて、どんどんどん悪循環にはまる。
パナソニックはもともとの企業体力もあり、フルサイズを始めたが、どうなることやら、
加えて、動画ユーザーを抱えてるのは不幸中の幸いと言える
話が脱線したが、マイクロフォーサーズに未来はないと思った
そして、フルサイズミラーレスがあまりにも手軽で魅力的過ぎる
レフ機の呪縛が解けてからは、各社のだすフルサイズレンズは明らかに高性能で、大三元や定番単焦点をどんどん高画質化し、小型軽量になっている。
ひと昔前ならあったマイクロフォーサーズのアドバンテージをすべて奪われている
さすがにレンズサイズはまねできてないが、持ち運びが困らないくらいには小さい
そして私も、
ついに決着をつけて、フルサイズしか使わなくなった
マイクロフォーサーズを持ち運ぶことがなくなった。
早く売らないと価値が下がるので、売った
初めて25万円払って買ったOM-D E-M1 MarkⅡ
ビックカメラで現金払いしたのを覚えている。値段交渉を店員さんとして、迷いに迷って3時間。清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入を決意。
購入をするときにやっぱEM-5にしたいと思って一瞬気が迷うも、やっぱり高性能なEM-1にした。
迷ったら高いほう、それが後悔しない選択なのだ。
封筒に入れた30万。万が一お金が足らなかったときのためだ。
ビックカメラは都会にしかないので、盗まれないようにしながら持ってきた30万。
それをレジで一枚一枚数えながら放っていく。
うれしさと高揚感と緊張で心臓がバクバクだ。初めての高価な買い物であったから。
たいそう大きなレジ袋を手にした時、お金がカメラに変わった実感を得た。
なんとしても汚さないし落とさないぞという覚悟で丁重に家まで持ち帰った
それから、新品のE-M1はそれはそれは楽しい時間をくれた。僕だけの世界、僕の青春の8割をこいつがくれた。
写真を趣味にしてくれた。高性能で高画質だったので、野鳥撮影にも挑戦できた。
大三元レンズをそろえてその画質とシャープさに驚かされた。単焦点でボケを知った。
そんなフォトグラファーなら誰しもが通る道を、こいつが教えてくれた。
どこに行くときも、こいつが相棒だった。
近所のお出かけでも、写真家気取りに片手でカメラを持ち、ストラップを手首に巻いてシャッターを切っていた。
そんな自分だったが、気持ちが浮ついてしまった。
現状に満足していたが、もっと上があると知れば気にはなる。それが人間の不幸な性であろう。
僕はとても迷った。だが、友人の写真が忘れられずに、裏切ってしまった。
フルサイズのZ6を中古で買った。13万だった。
ヤフオクで買ったので、13万を払った実感はない。E-M1を買うときのような手汗を握る思いではない。単にゆうちょから引かれるだけで実感がない。
すぐに届いた。レンズはなかったので、マウントアダプタで持ち合わせのOM時代(フィルムカメラ)のレンズをつけた。
確かにボケるが、そこまでの感動がなかったのと、28mmと135mmくらいしかなかったので、あまり楽しくなった
やや独特の色味のするオールドレンズじゃ、Zの良さはわからないと確信した
そしてまずは28mmF1.8GとFTZを買って、FマウントレンズをZに付けることにした。
フルサイズは28mmでも十分ボケることに感銘をうけた。
それからというもの、E-M1 MarkⅡを持ち歩くことはなくなった。
主人公、いやパートナーではなくなったのだ。
出会いがあれば別れもある。でも、愛着故になかなか手放さなかった。
そして月日は二年流れた。
防湿庫に眠らせていたE-M1を少し忘れてしまっていたある時、引っ越しが決まった。
ひさびさにE-M1を取り出すと、懐かしさとフルサイズにはかなわないよねという格下感を正直感じた
加えてオリンパスの事業売却、二年も使っていなかったという事実。
それを総合的に判断すれば、手放すという選択肢が理にかなっていた。
カメラはモデルチェンジを繰り返すほどに値崩れする
そのときはOM1もでていた。
いましかなかった。
そして、ついにそのときが訪れた。
メルカリで大切にしてくれる人に買ってもらいたいと思いを込めて売った。
市場価格よりは高めの値段をつけて精一杯胸を張れる最後にした
25万のレンズ付きキットは12万程度で売ることができた。
僕の20代を一緒に駆け抜けた思い出は13万以上の価値があるのでむしろ高く売れたとまで思った。
そして、僕はマイクロフォーサーズをやめた